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硬貨の穴

____/ 穴はどうなる?/ ̄ ̄ ̄

コインの穴 日本の硬貨は記念硬貨などの限定発行を除けば1円5円10円50円100円500円の6種類。その材質は「お金の原価」で紹介したとおりですが、今回新たな疑問が・・・
 
それは5円と50円にあいている穴

”硬貨の穴”をネタにして書こうと思えば「どうして穴があいているの?」というテーマが無難であり、当たり障りのない疑問ですよね。そしてその答えも製造元に聞けば手っ取り早く、書く側とすればたぶんラクな仕事かも。

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とりあえずは「どうして穴があいてるの?」の疑問から

さっそく製造元さんに接続。

サイト内検索に「硬貨  穴」と入れてGo!
2件ヒット。

まず1件目「教えて!コインくん!貨幣編」のページに書いてあります。”ほかの貨幣と区別するため”とのこと。

2件目はなんと「造幣局のあゆみ」という200ページからなるPDFが出現。
PDFファイル内検索では「硬貨  穴」でヒットせず、有孔硬貨で検索。

現行5円は昭和24年から、現行50円硬貨は昭和42年から発行されたとのことです。

5円硬貨発行時期の昭和24年は戦後であり金属貨幣の材料も豊富ではなかったようで、穴をあけて材料を節約したとの記述には納得させられます。

一方50円硬貨の穴は、今流通しているカタチの先代から穴があいていたとのこと。そしてその発行年は昭和34年。もう戦後ではなく高度経済成長の真っただ中。
映画「ALWAYS  三丁目の夕日」の時代ですヨ。
この頃の50円硬貨は当時の100円硬貨よりも直径で2.4mm、重さも0.4g大きいものでした。
穴あけ理由は、もはや材料節約の意味ではなく100円硬貨と区別しやすくするためと、重量調整だったようです。

えエっと、穴があいている理由調べはこれで終了。
 
さて、ここからが今回のテーマ。「穴はどうなる?」
鋳造という分野で暮らしている輩達ですから、日頃から温度の変化で好きなように(こちらの自由になるという意味ではなく、その逆の好き勝手に変わる)金属のカタチには日々手を焼いています。

そんなわけでふと疑問に思ったのは、
穴あき硬貨を温めて膨張すると中央の穴は小さくなるの??大きくなるの??

聞いてみました。社員さんに。

「そりゃあ 小そうなるに決まっとるじゃにゃあきゃあ」(それは小さくなるに決まっている)が5割。「おおきくなるんじゃない?」が3割。「大きくなる!」が2割でした。

半分を占めた「小さくなる」派は、小さくなること以外は考えられないと言わんばかりに即答するケースが目立ちます。
逆の「大きくなる」派は、「大きくなる」と断言する人よりも、”たぶん”大きくなると”思う”と、多少おとなし目の反応でした。

ちなみに、温度の変化で長さが変わる割合、
線膨張係数(線膨張率)を見てみると

16.8
ニッケル 12.8
単位は ×10-6/℃ 亜鉛 30.2
どの材質も温度があがれば膨張することは間違いない
で、硬貨の材質は
貨幣
金属材料
成分割合
総重量
中央の穴径
50円
白銅 銅 75%
ニッケル 25%
4g
約4mm
5円
黄銅 銅 60-70%
亜鉛 40-30%
3.75g
5.0mm
さて実際はどうなんでしょうネエ・・・・・・・  下のボタンをクリックしてみてください
小さくなる 大きくなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
実際にやってみました
用意したもの 焼き前のコイン
5円硬貨1枚
50円硬貨1枚
デジタルノギス
カセット式ガスコンロ
針金ハンガー
かまぼこ板
デジタルカメラ
共同実験者1名(カメラ撮影)
まず、硬貨の穴の縦方向と横方向を測定
5円   50円
焼き前5円縦方向の穴径 たて 焼き前50円縦方向の穴径
焼き前5円横方向の穴径 よこ 焼き前50円横方向の穴径
硬貨を針金ハンガーにとおして温める
(網焼きしたかったのですが、かーちゃんの許可が下りず)
加熱前 加熱中
加熱前 加熱中
真っ赤になった硬貨の外周をペンチでかるく挟み、素早くノギス測定(時間にしておよそ5秒)
5円   50円
焼き後5円縦方向の穴径 たて 焼き後50円縦方向の穴径
焼き後5円横方向の穴径 よこ 焼き後50円横方向の穴径
結果は・・・
ん~~~~ビミョウ
でも、大きくなったと判断しよう!
戦い終わって・・・
ススが付いて表面が黒くなっていますが
洗って拭けば元通りになりました。
考察
硬貨は「おもて面」「うら面」「外周面」「内周面」の4面でできています。
その全ての面が縦へ横へと膨張するわけですから「内周面」も膨張します。
つまり寸法が長くなるということ=円周も長くなるというわけで
膨張すると硬貨の中穴は拡大した!と考えます。

膨張係数で計算すると直径4~5mmで1000℃差の場合約0.02mm程度長くなると思われます。ノギスの実用精度より小さいですよね・・・・・
穴の面

穴径が大きくなることは体験できます。

ジャムなどの蓋がキツくてあかないときに蓋を温めると簡単に開けることができます。これは膨張で蓋の内径が大きくなったから。
もし温めると径が小さくなるのなら、ますます蓋は ヒ・ラ・キ・マ・セ・ン

 

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